理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
理学療法士は、ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。
作業療法士は、日常生活をスムーズに送るための応用的動作のリハビリテーションを行います。応用動作とは「食事をする」「顔を洗う」「字を書く」等の生活をするうえで必要不可欠な動作のことをさします。
言語聴覚士は、コミュニケーションの障害(失語症、構音障害等)、食べる、飲み込みの障害(摂食・嚥下障害)に対して機能の維持、向上のため検査、評価、訓練、助言等を行います。また、認知症や廃用症候群等によるコミュニケーション能力の低下、摂食嚥下能力の低下を生じている方も対象としています。利用者ご本人だけでなく、ご家族への指導、助言等も行っていきます。
アイビス(IVES)を使用した手・足の麻痺に対する新しいリハビリ
20世紀までは、脳をはじめとする中枢神経は、損傷すると再生することはないと言われてきました。近年、脳科学の進歩により、神経細胞が破壊されても、損傷を免れ生き残った神経細胞が役割を代行する能力「可塑性」があることが明らかになりました。
麻痺した手足の運動を改善するためには、脳の可塑性を生かして神経路に新たな役割を分担させたり、神経路の強化を行うため、麻痺した手足を思い通りに動かすことを繰り返すことが必要です。
損傷後の神経機能回復促進を目的にしたニューロリハビリテーションという概念が提唱されています。これは、脳の運動学習メカニズムによって、麻痺した筋肉を動かすこと自体が脳神経再構築を促す治療になることに基本を置いた概念です。
脳卒中などによる運動麻痺や筋力低下などで動きにくくなった手・足の運動を改善させるため、随意運動介助型電気刺激装置(アイビス/IVES)を用いてリハビリを行っています。
アイビスは脳からの運動指令によって生じる筋肉の活動を電気信号として読み取り、弱まった運動指令を補うように、麻痺や筋力低下のある手足に電気刺激を与えます。
自身の随意運動を電気の力で介助する治療法です。一般的なリハビリで効果が認められなかった患者さんでも症状が改善する可能性があります。
治療効果
脳卒中治療ガイドライン2015では、エビデンス・グレードBとされています。
「中等度の麻痺筋(手関節背屈筋、手指伸筋など)には、電気刺激の使用が勧められる」
適応の可能性のある疾患・症状
① 脳卒中(脳出血・脳梗塞)、脳腫瘍・頭部外傷・脊髄損傷などの中枢神経障害
② 腕神経叢麻痺・神経根症などの末梢神経障害による運動麻痺
③ 骨折・靭帯損傷などの運動器障害による筋力低下など
センサトリガーモード
歩行センサにより電気刺激のON/OFFを制御します。歩行時に踵が床から離れたことをセンサにより検出して、設定した刺激条件で電気刺激を出力します。手指装着型電極
手指に装着してセラピストの意図した部位、タイミングで電気刺激が出力できます。